どの年齢層のドライバーが最も多く交通事故をお越しているでしょうか?
最近高齢者の自動車事故がたくさん報道されています。TVやネットのニュースなどを見ると、また高齢者の事故があったのか…と感じます。
本当に高齢ドライバーの運転は危険なのか?
では実際、どの年齢層のドライバーが最も多く事故を起こしていると思いますか?
少し調べてみました。
警察庁交通局のデータがこちらです。
警察庁交通局原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当り交通事故件数の推移より
最多の年齢層は若年層
圧倒的に19歳以下が一番多いですね。
これを見ると自動車保険の「年齢条件なし」の保険料が高額になるのも頷けます。
次に多いのも20歳~24歳で、3番目に85歳以上という結果になりました。
何歳から高齢者と呼ぶのか
では何歳から高齢者になるのでしょうか。
WHO(世界保健機関)では65歳以上、日本でも同様に65歳以上を高齢者としていますが、道路交通法では70歳以上と定義されています。
なお道路交通法では、高齢者ドライバーが運転をするときには、高齢者運転標識をつける努力をすべきである。(もみじマーク)という努力義務があります。
他の年齢層はどうか
上記グラフを見ると、30歳から34歳と70歳から74歳がほぼ同じ。35歳から69歳までの事故件数は、ほぼ横ばいとなりました。
結果、「高齢者の運転だからあぶない」というわけではありません。また、年齢構成比以上に高齢ドライバーの事故が急増しているわけでもありません。
「高齢者になったら免許を取り上げるべき」「自主返納しな いのはおかしい」と一方的に責め立てるのも、事故の実態にそぐうものではないように思います。
日々車の運転をしていれば、年齢を重ねていったとしても急に運転ができなくなるわけではありません。若いときに比べ、運転に対する身体能力が落ちたとはなかなか気が付きにくいものです。
また、気が付いていたとしても、日頃の経験と技術でカバーしていることもあります。
もちろん最新の車には自動車メーカーが提供する先進運転支援システム(ADASといいますがサポカーですね)の活用も、事故の防止には役立ちます。https://www.safety-support-car.go.jp/
もちろんどれだけ装備が進化しても、運転技術が優れいている人でも過信は禁物。
まとめ
高齢者の事故は、確かに注目されていますが、その背景には日本の高齢化社会や一部の事故が大きく報道されることが影響しています。
統計データは、高齢者の事故率が増加していることを示しています。それを単純に「危険」と結論付けるのではなく、高齢者特有の身体的・認知的な変化や社会的背景を考慮しつつ、個人と社会が連携して事故防止に努めることが求められます。
これらの取り組みを通じて、高齢者はもちろん地域に住む人々が安心して暮らせる社会を実現しましょう。
そのためには日頃からドライバーひとり一人が思いやりのある運転を心掛けること。心構えを持つことによって、事故のない世の中を目指していきたいと思います。