睡眠時無呼吸症候群の症状と原因とは

~放置すると危険?~

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群とは?症状がなくても危険な病気

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気 です。呼吸が止まることで体内の酸素が不足し、質の良い睡眠がとれなくなります。その結果、日中の眠気やからだのダルさ などの症状が現れることが特徴です。

日本における睡眠時無呼吸症候群患者は約500万人とされていますが、そのうち適切に治療を受けているのはせいぜい1割程度と言われています。しかし、自覚症状が少ないため、気づかずに放置してしまうケース も少なくありません。 睡眠時無呼吸症候群は、放置すると高血圧、糖尿病、心管病、脳出血 などの重大な病気を引き起こすリスクがあるため、早期発見と適切な対策が重要 です。

睡眠時無呼吸症候群の主な症状

  • いびきや大きな呼吸音
  • 日中の眠気や疲労感
  • 集中力の低下、記憶力の減退
  • 家族や知人に指摘される症状

これらの症状のほとんどが睡眠中であるため、自分でも気づかないというのが特徴です。

放置すると、更に重大な健康問題に繋がるため、早期の気付きが重要です。

睡眠時無呼吸症候群の原因

睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に舌が喉の奥に沈下し、気道が塞がることにより起こります。肥満により首の周りに脂肪がつく、顎が小さい、扁桃腺肥大、鼻や喉の病気の人がなりやすいといわれています。

睡眠時に閉塞している状態

【出典】国土交通省「睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル」

  • 生活習慣の影響はあるのか?

アルコールの摂取や喫煙は、気道の筋肉を緩めたり、炎症を引き起こしたりして無呼吸を悪化させる要因になります。また、仰向けで寝ると重力で舌が落ち込み、気道を塞ぐこともあります。

  • 睡眠時無呼吸症候群は遺伝する病気なのか?

睡眠時無呼吸症候群という病気そのものは遺伝することはありません。しかし、肥満や顎の小ささといった、病気を起こしやすい体型や骨格については遺伝する可能性があります。

これらの要因が重なると、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まるため、生活習慣の見直しや早めの対策が重要です。

睡眠時無呼吸症候群の診断とチェック方法

以下の項目に当てはまる場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

  • いびきが大きいと言われる
  • 睡眠中に呼吸が止まることがあると指摘される
  • 日中の強い眠気や集中力低下がある
  • 朝起きたときに頭痛や口の渇きを感じる
  • 肥満や高血圧の持病がある

もし複数の項目に該当する場合は、医療機関での検査を検討しましょう。

医療機関での検査方法

睡眠時無呼吸症候群の診断には、主に以下の検査が行われます。

簡易検査:自宅で専用の機器を装着し、睡眠中の呼吸状態や血中酸素濃度を測定。

終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査):病院で一晩入院し、脳波・呼吸・心拍などを詳細に記録。

どんな人が検査を受けるべきか?

以下のような人は、早めに検査を受けることをおすすめします。

  • 強いいびきや無呼吸を指摘された人
  • 日中の眠気で仕事や運転に支障が出ている人
  • 高血圧・糖尿病・心疾患を持っている人
  • 肥満気味で首周りに脂肪が多い人

放置すると重大な健康リスクにつながるため、早期の診断と対策が重要です。

睡眠時無呼吸症候群の治療・対策

睡眠時無呼吸症候群の治療には、生活習慣の見直しから医療機器の使用、さらには外科手術までさまざまな方法があります。

生活習慣の改善方法

  • ダイエット:肥満は睡眠時無呼吸症候群の大きなリスク要因のため、適正体重を維持することが重要です。
  • 寝る姿勢の工夫:横向きで寝ることで、気道の閉塞を防ぎ、無呼吸の発生を減らすことができます。
  • アルコール・喫煙の控え:アルコールは筋肉を緩め、喫煙は気道の炎症を引き起こすため、できるだけ避けましょう。

CPAP(シーパップ)治療

CPAP(持続陽圧呼吸療法)は、睡眠時に鼻や口に装着するマスクを通じて気道に空気を送り込み、気道の閉塞を防ぐ治療法です。

  • メリット
    • 睡眠の質が向上し、日中の眠気が改善する。
    • 高血圧や心血管疾患のリスクを軽減できる
  • デメリット
    • 慣れるまで違和感がある。
    • 機器の管理や定期的なメンテナンスが必要。

外科手術による治療

CPAPや生活習慣の改善で十分な効果が得られない場合、外科的治療が検討されることがあります。

  • 口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP):のどの余分な組織を切除し、気道を広げる手術。
  • 下顎前方移動術(MMA):下顎を前方に移動させることで、気道を拡張する手術。
  • 神経刺激療法:舌の動きを制御する神経に刺激を与え、気道の閉塞を防ぐ方法。

睡眠時無呼吸症候群は個人差があるため、医師と相談しながら最適な方法を選ぶことが重要です。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、単なる「いびき」ではなく、放置すると高血圧や心疾患、糖尿病などのリスクを高める深刻な疾患です。主な症状には、日中の強い眠気や集中力低下があり、仕事や日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。

この病気の原因は、肥満や生活習慣、遺伝的要因などが関係しており、セルフチェックや医療機関での検査を通じて診断が可能です。

しかも簡易な検査方法と治療法が確立されています。

睡眠時無呼吸症候群の検査ができる病院を受診して相談してみましょう。

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