保険代理店の仕組みとは?役割や種類、メリット・デメリットを徹底解説!

保険商品を提供しているのは保険会社ですが、保険加入の際に相談をする窓口は保険代理店になります。

ところで、そもそも保険契約はなぜ代理店を通すのでしょうか?

保険代理店は何をしてくれるところなのでしょうか?

最近では、「ほけんの窓口」といった保険相談専門の店舗や「大人の自動車保険」といった通販など、保険契約にもいろいろな方法があるので、違いがよくわからない人もいるかもしれません。

そこで、この記事では保険代理店の役割や種類、メリット・デメリットなどについて詳しく解説します。

これから保険に加入しようと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください!

保険代理店の仕組み

保険代理店の役割

保険代理店には、保険会社との委託契約により保険会社の代理人として保険契約を締結する権限が与えられています。

したがって、契約者が代理店に対して「申込書」により申込みを行い、代理店が承諾すれば、保険会社との間で保険契約が有効に成立したことになります。

これにより、顧客は保険会社に保険料を支払うことになります。逆に保険会社は顧客に保険金を支払う義務を負うことになります。

保険代理店の業務

それでは保険代理店はどのような業務を担っているのでしょうか。

代理店の業務について確認してみましょう。

1.保険商品の販売

代理店の最も重要な仕事は、顧客とと保険会社のパイプ役となって、顧客をさまざまな危険から守るために最適な保険提案を行うことです。

そして、顧客がどのような保険商品を求めているのかを把握して、顧客のニーズに合った保険商品を販売します。

2.保険契約の見直し

顧客にとって必要な保険の内容は、ライフステージの変化に伴って変わっていきます。

ライフステージの変化とは、就職・結婚・出産・子供の独立・退職などさまざまです。

これらは代理店で相談することで、現在の自分にあった保険商品を見直してもらうことができます。

3.保険事故発生時の受付

代理店は保険事故発生時の受付の役割も果たします。

家族が亡くなった場合や自動車事故を起こした場合などは、代理店に受付をしてもらうことができます。

顧客から保険事故の通知を受け付け、事故状況の聴取を行いその後の流れについて説明をしてくれます。

保険事故が起こったなど時は、精神的な負担が大きいでしょう。

そんな時によく顔の知っている代理店担当者がいれば安心でき、とてもありがたいと感じるのではないでしょうか。

4.保険請求のフォロー

代理店は契約後にも顧客の保険に関するあらゆる面でサポートをしてくれます。

保険金を請求することは人生の中でそう何度も経験するものではありません。

保険金の請求手続きをすることになった場合は、素人には書類の記入方法がわかりにくかったりします。

さらに添付する書類を用意するのも面倒かもしれません。

そのような場合にも代理店は書類の記入方法や準備する書類の説明などを丁寧に行ってくれます。

スムーズな保険金請求ができるようにフォローをしてくれるでしょう。

保険代理店の種類

つぎに保険代理店の種類についてみていきましょう。

保険代理店の種類は、いくつかの要素により「専業と副業」、「専属と乗合」、「独立系ファイナンシャルプランナー」といった分類に分けることができます。

専業と副業

「専業」

専業の代理店とは、保険の代理店業務のみを専業として行なっている会社です。

「副業」

副業の代理店とは、本業が別にあって、保険の代理店サービスも手掛けている会社です。

たとえば、JTBなどの旅行代理店が旅行保険を販売したり、自動車ディーラーが自動車保険を販売したりするケースです。

専属と乗合

「専属」

専属代理店とは、ひとつの保険会社のみと委託契約している代理店であり、その保険会社の商品のみ取扱います。

専属代理店のメリットは、ひとつの保険会社の商品に特化しているため、その会社の保険商品に精通しており、キャンペーンやお得な情報などに詳しいことです。

「乗合」

乗合代理店とは、複数の保険会社と委託契約している代理店です。

顧客側にとっては、複数の保険会社の保険商品の特徴を比べながら加入することで、よりよい保険を選べるというメリットがあります。

独立系ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーとは、資産管理や財産形成のプランなどを提案する職業のことをいいます。

お金に関する知識が豊富なため、資産運用や家計の節約などのお金に関わることはもちろん、保険や不動産に関する知識もあるのが特徴です。

独立系ファイナンシャルプランナーは保険会社と販売委託契約を結ぶことで、保険代理店として保険商品を販売することができます。

ファイナンシャルプランナーとして個人経営の保険代理店を行っているケースもありますが、法人としてファイナンシャルプランナーを雇っている保険代理店も存在します。

代理店型とダイレクト型の違い

保険の主な加入方法は「代理店型」と「ダイレクト型」があります。

「代理店型」は保険会社が特定の店舗を有し、店舗やご自宅などで担当者と相談をしながら手続きを行える保険です。

「ダイレクト型」はインターネットや電話などを通して、お客さま自身が保険会社と直接、契約・更新・変更などの手続きを行える保険です。

テレビなどではダイレクト型保険のコマーシャルがよく流れており「保険料が月々数百円!」などとうたっているため、保険料が安いというイメージを持つ人が多いではないでしょうか。

「代理店型」と「ダイレクト型」、この2つの違いについて解説していきましょう。

代理店型保険の特徴

保険商品を選ぶ際に顧客自身が保険に詳しければいいのですが、詳しくなければどの条件でどの特約に加入すればいいのか分かりにくいかもしれません。

代理店型保険であれば、代理店の担当者と対面で相談をすることができます。

補償内容について分からないことがある場合や、今後の手続きの流れで不安がある場合などはその場で担当者に確認できるので安心です。

ただし、自分で契約する保険なので、「代理店にすべて任せたから補償内容はわからない」ということがないようには注意が必要です。

保険代理店は保険会社と顧客を結ぶ中間事業者ですので、その分の仲介コストが発生します。

ダイレクト型保険に比べるとどうしても代理店型の保険は割高になりがちです。

その分相談に乗ってもらえたり手続きのサポートをしてもらえたり、きめ細かいサービスを受けられますが、とにかく費用を安く抑えたい方は注意すべきポイントです。

ダイレクト型保険の特徴

ダイレクト型保険では、顧客はインターネットの画面や保険のパンフレット、電話によって保険商品の情報を得ることになります。

そのため、顧客とダイレクト型の保険会社が直接取り引きをするため、代理店にかかる中間コストが発生しないことで、代理店型に比べて割安な保険料が提供されます。

ダイレクト型保険は、パソコンやスマートフォンから見積もりや申込み、継続手続きが24時間365日できます。

見積りや申込みなどのとき、疑問点が生じた阿合は、専用フリーダイヤルなどに電話すれば専門スタッフに相談できます。

以上のように、代理店型保険とダイレクト型保険はそれぞれに強みが異なりますが、事故時の対応やサービスなどは、どちらも安心して任せられるものです。

代理店型に向いている人は保険料は高くてもすべてを保険の専門家に任せたい人でしょう。

代理店型保険の魅力は、保険の案内や見積もりなどを行ってくれることです。

そのため、保険の知識が乏しく自分で商品の比較・検討ができない方や補償内容についてはすべて保険会社に任せたい人などに向いています。

ダイレクト型に向いている人は保険の知識がある程度あり、自分で考えて無駄を省くことで保険料を安くしたい人でしょう。

自分で商品を比較して検討したい、補償内容を自分で決めたいような人は、ダイレクト型保険も検討するとよいかもしれません。

保険代理店を利用するメリットとデメリットは?

ここまでは代理店の役割や種類、最近流行のダイレクト型保険についても紹介してきました。

ここからは、代理店を利用するメリットとデメリットについて解説してみます。

代理店で保険を契約するメリット

複数の保険商品を比較できる

特に乗合の代理店の場合は、複数の保険会社の保険商品を取り扱っており、さまざまな会社の商品を比較できます。

1社だけの商品を検討するよりも選択肢が増えるので、より自分に合った保険を見つけられる可能性が高くなるでしょう。

そのため、自分のライフプランに合った保険商品や保険料削減の選択肢が増えることになります。

保険のプロの話を聞くことができる

保険代理店の販売員は、保険のことならなんでも知っているプロフェッショナルです。

ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得し、保険商品はもちろん顧客のライフプランに合わせたアドバイスができる販売員も多いため、さまざまな相談に応じてくれます。

保険契約は複雑でわかりにくいもので、人生の中で2番目に大きな買い物と言われます。

保険のプロが、ライフプランに合った保険商品や組合せの提案をしてくれたり、保険の見直しについてのアドバイスもしてくれたりします。

地域密着のサービスを展開している代理店であれば、より身近な存在として、必要なときに気軽に相談できたり、親身なサポートを受けたりできるようになります。

窓口を一本化できる

生命保険や医療保険、火災保険などでそれぞれ契約している保険会社が複数あったとした場合、同じ代理店を通して契約をすればそれらをまとめて管理してくれます。

特に同じ代理店で同じ保険会社で契約をすれば、複数の保険請求をする場合も必要書類を何通も揃える必要がないため、スムーズに手続きを行うことができます。

代理店で保険を契約するデメリット

保険料が高額になりがち

先に述べた通り、保険会社との間に1社挟んでいることになるので、当然コストが余計にかかり、サービス料も割高になります。

代理店で販売しているということは、代理店で働く従業員の給料や、店舗を運営するための家賃や光熱費などさまざまな経費を保険料からまかなっているということです。

代理店は安心できる反面、保険料が高くなっていることも理解しておきましょう。

良い代理店を見つけるのが簡単ではない

代理店では担当者が保険について深く理解しているとは限りません。

中にはとても詳しい方もいますが、多少突っ込んだ質問には答えられないという方もいます。

担当者として不勉強な人が当たってしまうと適切な契約ができない可能性もあります。

保険の内容についてすべて担当者任せにするのではなく、自分でもしっかりと内容を把握する気持ちで臨むのが大切でしょう。

豊富な知識を身につけた販売員で、従業員教育が行き届いている代理店なら信頼できるのですが、そうではない代理店もありますのでしっかりと見極められるようにしましょう。

手数料が高い保険を優先されることもある

保険代理店は営利企業として存在していますので、会社の経営のためには当然儲けなければいけません。

なかでも手数料の高い保険ばかりを顧客に勧めるような代理店は非常に悪質です。

顧客のニーズを捉えて適切な保険を提案してくれているか、不要な保険を契約させようとしていないかをよく注意して警戒しておく必要があります。

まとめ:信頼できる代理店をみつけよう!

保険代理店について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

保険代理店で加入することには、先に述べたようにメリット、デメリットがあります。

良い代理店の担当者に出会えるかどうかというところで、かなり左右されてきますので、実際の保険代理店選びは慎重に行ないたいものです。

まずは保険代理店を複数ピックアップして、それぞれの実績を確認してみましょう。

長く存続している代理店ならば、顧客からの信頼関係を築いていることが期待できます。

また担当者が信頼できる方かも知りたいところでしょう。

そのためには、いろいろと質問してみるのがいいかもしれません。質問に対する説明の丁寧さ、知識の豊富さなどからある程度判断できるでしょう。

信頼できる保険代理店を見つけることができれば、万が一のときに自分の力になってくれるので安心ですね。