たくさんある生命保険の種類の中から、どんな商品を選べばいいのでしょうか?
独身時代から結婚、子どもの誕生など、人生はさまざまな変化をしていきますよね。
ライフステージが変わると必要な保障内容も変わっていくものです。
この記事では、どんな保険を選んだらいいかお悩みの方に、20代・30代・40代・50代と年代ごとに必要な保障とおススメの保険を紹介します。
自分のステージに必要な保険を確認してみてください!
20代の保険の選び方
独身は万が一のときに
独身の方の場合は、必ずしも多くの保険は必要ありません。
独身の方が保険を選ぶ際のポイントは、自分に万が一のことが起こった場合に困らないようにするということです。
高額な補償の死亡保険は必要ないですが、葬儀費用程度はあってもいいかもしれません。
入院や手術に備える
医療保険は、病気やケガによる入院や手術をしたときの治療費に対して備える保険です。
一般的には、「入院したら1日につき5,000円」「手術をしたら1回につき5万円」といった保障内容を備えています。
病気やケガによる治療費は、貯蓄が十分あればまかなえることもできます。
しかし、20代ではまだ貯蓄が十分ではないことも多く、それでカバーすることができずに病気やケガによる費用が大きな負担となってしまうでしょう。
そうした病気やケガによるリスクに備えるために、20代の方は医療保険を備えておくことをおススメします。
就業不能保険があれば安心
就業不能保険は、主に働くことができなくなったときに収入減となるリスクに備えるための保険です。
病気やケガで長期にわたる入院や療養が必要になれば、働くことができなくなってしまいます。
そのときに収入が途絶えてしまったり、減ってしまったりすることが考えられますが、就業不能保険はそのような収入減をカバーするための保険です。
保障内容としては、保険会社ごとに決められている「所定の就業不能状態」に該当した場合、その状態が続く限り1か月につき10万円~50万円程度の保険金を受け取れるといったものです。
余裕があれば個人年金を
金銭的な余裕がいくらかあり、貯蓄に興味がある方は、個人年金保険などの積み立てるタイプの保険を早いうちから検討してみても良いかもしれません。
積み立てるタイプの保険は、一定期間保険料を支払う代わりに、所定の年齢に達した段階で保険金や解約返戻金を受け取れるといったものです。
一般的には支払った保険料よりも、受け取る保険金のほうが大きくなります。
20代の方がこのような保険を検討するメリットとしては、若く健康なうちに積み立てるタイプの保険に加入したほうが、支払った保険料に対して受け取る保険金や解約返戻金が大きくなるという点が挙げられます。
既婚は自分と家族を守る
結婚している方は自分や家族の生活を守らなくてはいけません。
もし病気やケガで働けなくなったとしたら、入院・手術による治療費などの出費の増加と、働けないことによる収入の減少が発生します。
そのため、独身の方に比べて確実に「医療保険」と「就業不能保険」を用意しておくのがおススメです。
子どもがいる家庭は教育費を
子どもがいる家庭の保険の選び方は、既婚の方が持つべき保険にプラスして子どものための保険という点が重要になってきます。
たとえば、親に万が一のことがあっても、子どもの教育費や生活費も含めてカバーできる死亡保険と、子どもの学費を準備するための学資保険などです。
夫婦のどちらかに万が一のことがあり、収入が減少したことによって子どもが生活に困ったり、やりたい事や将来の夢を諦めたりといったことは避けたいところでしょう。
その意味で、子どもが独立するまで経済的に困らないように手厚い死亡保険を用意しておいたほうが安心です。
そして、子どもの学費は何かしらの方法で準備しなければなりません。
その方法の1つとして、学資保険をおススメします。
学資保険は、一定の期間まで保険料を支払う代わりに、満期や解約のときにまとまった保険金を受け取れるものです。
30代の保険の選び方
マイホームを購入したら
30代の方になると、すでにマイホームを購入する方もいらっしゃると思います。
マイホームを購入する際は住宅ローンを利用することが一般的ですが、その際に「団体信用生命保険」に加入していることはご存知でしょうか。
団体信用生命保険は、住宅ローンを借りた人が死亡したり高度障害状態になったりしたときに、残りのローンを肩代わりしてくれる生命保険の一種です。
この保険への加入が、住宅ローンの借り入れ条件のひとつになっていることが多いようです。
もしも、すでに加入している生命保険が、万が一のことがあったときの住宅資金も想定した金額設定なら、その部分は団体信用生命保険と重複していることになります。
マイホームを購入している方は、団体信用生命保険と加入済みの生命保険の内容をチェックし、重複している部分があればカットして保険をコンパクトにまとめてみると良いかもしれません。
女性特有の病気に備える
女性特有の病気の患者数は、20代から30代にかけて罹患する確率が高まる時期だと言われています。
女性特有の病気として代表的なものは、女性特有の部位のがん(乳がん・子宮がん・卵巣がん等)、妊娠や分娩に係わるトラブル、周産期に発生した病態などが挙げられます。
30代の女性は、女性特有の病気のリスクに備える意味で医療保険に女性特約を付加したり、リーズナブルな保険料の単体の女性保険に加入したりしておくと安心だと言えそうです。
自営業の方に
30代の方のなかには、自営業の方もいらっしゃると思います。
自営業の方は、会社員の方と比較して公的医療保険・公的年金保険などの保障が手薄になってしまうで、その部分のカバーをするために「医療保険」「就業不能保険」、そして「死亡保険」「個人年金保険」などに手厚く加入することが一般的です。
自営業の方は、たとえ病気、ケガなどの理由で仕事を休んだとしても、なにも手当を受け取ることができません。
国民健康保険には傷病手当金が備わっていないため、自営業の方は病気やケガで仕事を休めば、そのまま収入が途絶えてしまいます。
休んでいる間も今までどおりの生活を送るためには、その収入減に備える「医療保険」や「就業不能保険」を手厚く準備したほうが良いと言えそうです。
40代の保険の選び方
死亡保障をコンパクトに
40代になると子どもも大きくなり、残された家族の経済的なリスクは少しずつ小さくなっていきます。
そのため、生命保険を今までよりコンパクトに見直すのも良いのではないでしょうか。
生命保険の見直しのときに、ぜひ候補のひとつに入れたい保険が「収入保障保険」です。
収入保障保険は、子どもの成長などによって経済的なリスクが小さくなるので、一定割合で保険金額も減っていく合理的な仕組みを備えています。
また、通常の生命保険と比べて、保険金額が減っていく分、保険料も割安になっている点もポイントです。
収入保障保険の最大のメリットは、時の経過によるリスクの変化を踏まえた保障内容のため、その時その時に必要な等身大の保障を、割安な保険料で効率的に準備することができます。
高まる健康リスクに備える
40を過ぎてからは健康に対して不安を感じ、改めて自分の健康を気にするようになる方も少なくないでしょう。
実際40代から50代にかけて、主な生活習慣病の患者数は著しく増えていく傾向が見られます。
その意味では、医療保険やがん保険を見直し、しっかりと病気やケガのリスクには備えておきたいところです。
以前に加入した医療保険やがん保険をそのままにしている場合、保障内容が今の医療事情に合わなくっている可能性があります。
医療保険やがん保険は、病気のリスクに備える保険と言えますが、そのリスク自体が医療事情の変化に応じて変わっていきます。
今も医療技術は日々進歩しており、治療内容や入院日数といった医療事情も変化していきます。
それにともない、医療保険やがん保険の商品内容が古くなってしまうこともあり得るので注意が必要です。
老後の資金を準備する
40代になればそろそろ老後の資金づくりも見据えていく必要があります。
このような老後の資金に対して、「個人年金保険」を活用して備えるのも1つの方法です。
個人年金保険の特徴のひとつは、健康で若いうちに加入し、積立期間が長くなればなるほど受け取れる保険金額も大きくなっていく点です。
それゆえに、老後の準備のための個人年金保険については、40代の早い時期から加入しておくメリットがあります。
50代の保険の選び方
子どもが独立したら
50代の方に多く起こるライフイベントとしては子どもの独立があります。
学費の支払いも終わり、支出面で余裕が出てきます。
そのため、最低限葬式費用や亡くなる直前の医療費など、300万円前後の終身の死亡保障があれば良いでしょう。
50代の方には定期保険を更新することはあまりおすすめしません。
特に、同じ保険金額が継続するタイプのものは、子どもの独立を機に更新しないか、解約することも検討して良いでしょう。
その理由は、保険料が上がるケースがほとんどだからです。
生活習慣病や三大疾病のリスクに
生活習慣病や三大疾病(がん・脳血管疾患・心疾患)などの大きな病気のリスクが増すのは50代以降です。
この年代では、保障内容をよく比べて保険を選んだり、見直したりする必要があります。
医療保険やがん保険に新たに加入するとなれば、健康状態の「告知」が必要です。
持病があったり、最近5年以内に健康診断で何らかの指摘があったりする場合、加入を断られてしまうケースもあるので、見直しは健康なうちに考えるのが良いです。
保険料が少しでも安く、告知も通りやすい時期に見直してみることをおススメします。
余裕があれば介護保険を
「人生100年時代」と言われ、平均寿命は年々延びていますが、たとえ平均寿命まで生きたとしても、全員が必ずしもずっと健康でいられるわけではありません。
このような状況にもかかわらず、介護施設は不足がちです。
その場合、ヘルパーさんに来てもらったり、デイサービスに通ったりということが必要になってきます。
自宅に設置する手すりや補助器具、ベッドなどもレンタルできますが、月々のコストはそれなりにかかります。
そのような介護に関わる費用は公的な介護保険が適用され、原則1割負担となりますが、それでも年金暮らしの高齢者にとっては大きな負担となっているのが現実です。
お金の準備ができていなければ施設への入居は難しいでしょう。
そのためもし余裕があるなら、介護に備える保障も考えてみてはいかがでしょうか。
老後資金の運用方法を考える
老後資金の準備のために資産運用をしている方も多いと思います。
世の中には様々な運用方法がありますが、利回りの高さから、投資信託や株で運用されている方も多いのではないでしょうか。
投資信託や株の場合、元本保証や最低保証がないのが原則であり、マーケットの状況に左右されますから、最終的にマイナスで終わることもあります。
老後資金という大事なお金を運用するのであれば、収益性も大事ですが、安全性にも配慮した運用を考えなくてはなりません。
「変額個人年金保険」などの商品は、単に投資信託を購入するよりコストは高くなりますが、最低保証のある商品です。
安全性にも配慮した運用を行いたい方は検討してみるのもいいでしょう。
まとめ:安心できる日常生活の備えを!
この記事では、年代ごとの生命保険の選び方のポイントについて紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
どんな生命保険に入ったらいいのかと悩む人も多いのですが、年代や環境、家族構成などによって商品選びのポイントは変わってきます。
適切な保険を選べるようにするためには、保険にどのような種類があるのかを知るだけでなく、保険会社ごとに商品内容について詳しく知ることが大切です。
自分で勉強するのもいいですが、保険相談窓口などで専門家に詳しく相談してみるのもいいかもしれません。
ここで説明した内容を参考にして、安心して日常生活を送れるような備えを用意できるようにしておきましょう。