生命保険はいらないと考える理由は?不要な人と必要な人について徹底解説!

「生命保険って本当に使う機会があるの?」

「保険料を払うんだったら貯金した方がいいのでは?」

このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

よく考えずに「なんとなく心配だから」とか「周りが入っているから」という理由で加入した人もいるかと思います。

この記事では、生命保険が不要な人や必要な人について解説します。

生命保険は人生で2番目に大きな買い物であると言われているため、慎重に判断しなければなりません。

そのため、この記事を最後まで読めば、生命保険の必要性が分かるでしょう。

本当に必要なのかを真剣に考えるきっかけになると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

生命保険に入る必要性が低い人

はじめに、生命保険の必要性が低い人はどんな人か挙げてみたいと思います。

  1. 貯蓄が満足にある人
  2. 扶養家族がいない人
  3. 少しでも固定費を減らして資産運用したい人

ひとつずつみていきます。

1.貯蓄が満足にある人

以下のような人にとっては生命保険の必要性は低いと言えます。

  • 万が一のことが起きて亡くなったとしても、妻や子どもが生活できる貯蓄が満足にある人
  • 重い病気に罹患してしまった場合でも、自分の貯蓄から治療費を支払うことができる人

つまり、子どもがいる家庭で万が一のことがあったときに、数千万円単位のお金を常に用意できる人です。

2.扶養家族がいない人

子どもがいない夫婦(共働き)の場合は、扶養家族がいないため、生命保険に入る必要性は低いと言えるでしょう。

扶養する家族がいなければ、万が一のことがあった場合に必要となる資金はあまり多くありません。

そのため、扶養家族がいる人と比べて、生命保険に入る必要性が低いのです。

独身の場合は、配偶者や子どもがいないことに加えて病気やケガのリスクが少ないため、生命保険へ入る必要性はさらに低くなります。

しかし、万が一のことがあった場合に周囲に負担をかけないようにするために、自分の葬式代やお墓代などだけでも備えておくと良いかもしれません。

3.少しでも固定費を減らして資産運用したい人

繰り返しますが、生命保険は住宅に次いで人生で2番目に大きな買い物と言われています。

保険料は平均して年額40万円、30年で1,200万円にもなります。

そのため、少しでも固定費を抑えたいと考えるなら、保険の必要性は低いでしょう。

資産運用に興味がある人は、生命保険にかけるお金を運用に回すことが有効です。

病気やケガなどで働けなくなっても収入が得られる状況であれば、生命保険に入る必要はないでしょう。

生命保険はいらないと考える理由

ここまではさまざまな角度から、生命保険に入る必要性が低い人について紹介しました。

その他の点も含めて、生命保険はいらないと考える理由について、以下のようにまとめました。

  1. 健康保険でまかなえるから
  2. 遺族年金が利用できるから
  3. 貯蓄でまかなえるから
  4. 保険を使う機会はほとんどないから
  5. 他の金融商品で運用するから

ひとつずつみていきましょう。

1.健康保険でまかなえるから

日本では、すべての人がなんらかの健康保険制度に入っています。

病院で治療を受けた時、その治療費全額が自己負担にならないのはご存知かと思います。

健康保険(自営業の方は国民健康保険)により、自己負担額は全体の3割に抑えられます。「3割でも何度も払ったら結構な金額になる」と思われる方もいるでしょう。

健康保険にはさらに「高額療養費」という制度があります。

治療費が高額になった場合、ひと月毎の「自己負担限度額」という上限を設けるシステムです。

一般的な所得の方であれば、次の計算式で求められます。

自己負担限度額 = 8万円 + (医療費 - 26.7万円) × 1%

例えば治療費が100万円で、その3割部分である30万円を窓口で支払ったとしても、8万7430円が自己負担限度額となります。

この差額は後で払い戻しを受けられる制度になっています。

ただし、高額療養費の対象はあくまでも健康保険の対象になる費用に限られます。

先進医療にかかる費用や病室を個室にした時のいわゆる差額ベッド代などは対象となりませんので注意が必要です。

もし入院した場合でも毎月9万円程度の負担なら、日頃から蓄えてきた貯金でカバーするという考え方もあるでしょう。

毎月無駄になるかもしれない保険料を払い続けるのとどちらが良いか、検討してみる価値はあるのではないでしょうか。

2.遺族年金が利用できるから

遺族年金は亡くなった方の家族構成や職業によっても金額が異なります。

一般的に世帯主がサラリーマンで子どもが二人のようなケースの場合、月額にして15万円程度が支給されます。

また、勤務先によっては死亡退職金や弔慰金などがでるケースもあるので、これを生活費にプラスすることもできるでしょう。

これらによって、生活費は確保できると考える人がいるかもしれませんが、これだけでは足りないと思う人も間違いなくいるはずです。

3.貯蓄でまかなえるから

もし十分な貯蓄があれば保険に頼る必要がないと考えるのは当然かもしれません。

子どもがいる家庭で万が一のことがあった場合、遺された家族のその後の生活費、子どもの教育資金などを準備するためには、数千万円単位のお金になる場合が多いでしょう。

しかし、仮に十分な貯蓄があったとしても、万が一のことが起こったときのために、そのお金を拘束しておかなければいけません。

独身ならばいいですが、子育て中のことを考えれば万が一に備えておきたいと考えるのも当然でしょう。

4.保険を使う機会はほとんどないから

保険の対象となる出来事を「保険事故」といいます。

たとえば死亡保険の場合は、保険の対象者(被保険者)が亡くなることです。

保険とは、商品ごとに決まった保険事故があったとき、決まった保険金を受け取れる仕組みです。

保険事故が起こる確率についてご存知でしょうか。

仮に年齢30歳の人が家族を残して亡くなる確率はどの程度あるのか調査してみました。

厚生労働省の統計(「簡易生命表」令和元年)によれば、30歳男性の死亡率は0.055%です。(参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/dl/life19-06.pdf )

このように確率がかなり低い事実であることを考えると、保険の必要はないとも思えます。

しかし、いくら確率が低いとはいえ、ゼロパーセントでない限り、誰に起こるかわかりません。

生命保険は、その目的が「もしものとき」にこそ、安心を得るものだと考えることが必要なのではないでしょうか。

5.他の金融商品で運用するから

貯蓄型の生命保険もありますが、お金を増やすことだけが目的なら生命保険よりも利回りのいい運用方法があるのは事実です。

最近は金利の低下によって貯蓄型保険の返戻率は下がってきており、他にもっといい金融商品があると考える人は多いでしょう。

利回りに注目するのであれば、株式などに積極的に投資したほうが、より大きなリターンを得られる可能性があります。

しかし、金融の世界では、リターンは常にリスクと表裏一体です。

リスクをとらずにリターンを得ることはできません。

保険の種類によっては、中途解約や保険会社が破綻した場合を除けば元本は保証されている商品もありますが、株式や投資信託ではそうはいきません。

これはどっちの方が有利かという問題ではなく、リスクに対してどうとらえるかという考え方の違いです。

リスクを承知で、積極的な運用がしたいという人は、チャレンジすればいいわけです。

生命保険に入る必要性が高い人

生命保険は、必要保障額や家族構成、ライフステージによってさまざまです。

死亡保障を目的とした生命保険は、もし自分が亡くなってしまっても、遺された家族がいる時に加入します。

そのため、独身の時には生命保険に入っていなかった人も、結婚や子どもが生まれたタイミングで生命保険の加入を考えるようになります。

ここからは生命保険が必要な人について挙げてみましょう。

  1. 家族を養っている人
  2. 自分の収入がメインの人
  3. 金銭的に余裕がない人
  4. 50代や60代の人
  5. 高齢の両親がいる人

1.家族を養っている人

一家の大黒柱として養う家族がいる人には、死亡保障が必要です。

子どもが生まれるとその子が大人になって自立するまで、育てる責任が生じるからです。

大人になるまでに必要な養育費の総額は、子どもの誕生直後がいちばん大きく、成長につれてだんだん減少してきます。

そのため、子どもが生まれたらその時点で死亡保障を増額する必要があります。

さらに第1子、第2子、第3子と子どもが増えるにともない、保障額を増やしていきましょう。

扶養家族が多いほど、手厚い保障が必要になってきます。

貯蓄型の保険にこだわると、十分な保障には保険料が高くなるので、保険料がお手頃な掛け捨て型生命保険に入って、手厚く保障を確保するといいでしょう。

家族のために必要な保障を備える方法は、定期保険や収入保障保険などいろいろあります。

残された家族に対する責任という意味でも、生命保険に入る必要性は高いでしょう。

2.自分の収入がメインの人

世帯収入に占める自分の収入の割合が高い人も、生命保険に入る必要性が高いです。

子どもがいない夫婦の場合でも、どちらかが専業主婦・主夫をしているケースがあると思います。

その場合、収入がメインの人に万が一のことがあって亡くなった場合、残されたパートナーはその後の日常生活が維持できなくなってしまいます。

共働きの場合でも、もし大黒柱が突然亡くなってしまったら、すぐに元の生活を送れるとはあまり考えられません。

いずれの場合でも生活を立て直すには時間がかかるので、生命保険に入る必要性は高いでしょう。

3.貯蓄が満足にない人

生命保険に入る必要性が高い人として、貯蓄が満足にない人が挙げられます。

病気やケガをしてしまった場合に、貯蓄が満足になければ治療費が払えません。

治療費を支払えないと、病気やケガに必要な充分な治療を受けられませんので、医療保険という形で備えておく必要性が高いでしょう。

また、病気になったり、ケガをしたりした場合には働けなくなるリスクもあります。

働けなくなった場合には収入が減ったり、仕事を失う場合があります。

貯蓄が少ない人は、料金が安いプランでもいいので、生命保険に入っておいた方が無難です。

4.50代や60代の人

50代や60代の人たちも生命保険に入る必要性が高いです。

60代の死因の1位は「がん」で、50代の死因でも同じく「がん」は上位に入ってきます。

特に60代からは病気やケガのリスクに備えなければいけません。

医療保険やがん保険は、1度病気になってしまうと加入することが難しくなる、または保険料は高くなってしまいます。

貯蓄が多くあり、治療費を自分で負担できるのであれば、医療保険の加入は必要ありません。

しかし、多額の医療費が負担になってしまうと考えている方は、早めに医療保険に入っておくことをおススメします。

また、介護が必要になった場合や認知症になってしまった場合に備えて、介護保険や認知症保険への加入を検討しても良いでしょう。

5.高齢の両親がいる人

自分の収入で高齢の両親の生活を支えている人は、生命保険に加入したほうがよいでしょう。

生命保険に加入しておけば、万が一のことが起きたとしても両親の生活を保障できます。

まとめ:自分の状況をじっくり考えてみましょう!

この記事では、生命保険がいらないと考える理由や不要な人と必要な人について紹介してきましたがいかがだったでしょうか。

生命保険は「なんとなく心配だから」とか「周りが入っているから」という理由で入るものではありません。

自分にとって生命保険は必要がないと考えるのであれば、もちろん入らなくても良いものです。

ただし、「生命保険に入りたくないから」「考えるのが面倒だから」と何も考えずに放置しておくのは一番危険です。

繰り返しになりますが、「万が一」が起こったときにどんな状態なるか、その状態になったときにどんな対策が打てるのかを前もって考えておきましょう。

保険はあくまでもその人の価値観によりますが、改めてじっくりと自分の状況を考えてみてはいかがでしょうか。